NETIS登録番号
TH-190001-VE

エーパイラーとLHVについて

エーパイラー(Aパイラー)とは? 杭を掴み地中に打込む!
それがエーパイラーです。

エーパイラー(Aパイラー)は、油圧ショベル(バックホー)のアームの先端に小型油圧バイブロをアタッチメントとして取付け、軽量鋼矢板、H形鋼、シートパイル、松杭などを掴み、振動と共に地中に打込んだり引抜いたりする工法のことを言います。
日本ニューマチック工業株式会社様が開発した、小型油圧バイブロの呼称「エーパイラー」というのが語源だと言われています。

エーパイラーの特徴

  1. 1. 国土交通省より超低騒音機械【HP-2SX(指定番号1781)】、低騒音機械【HP-4SX(指定番号1782)】として認定を受けています。
  2. 2. 簡易矢板装着機能を採用し、シートパイルを簡単にセットすることができます。
  3. 3. クレーンや発電機などの機械が不要です。少人数での作業が可能でコスト削減にもつながります。
  4. 4. 建物が密集している街中や山間狭小地など大きな重機が入れない現場で作業ができます。
  5. 5. 小さな重機で小回りが利き、さまざまな作業が行えるため、工期が短縮できコストを抑えることができます。
  6. 6. バイブロハンマの起動力と油圧ショベルのブーム・アームの押圧力を併せた非常に高い打込み能力を有します。

エーパイラー工法とLHV工法の違いとは?

  • 日本ニューマチック工業株式会社のエーパイラー

    日本ニューマチック工業株式会社 エーパイラー

  • 調和工業株式会社のLHV

    調和工業株式会社 LHV

小型油圧バイブロを製作している会社は、日本ニューマチック工業株式会社と調和工業株式会社の2社が有名です。
この2社で呼び方が変わり、前者は「エーパイラー」、後者は「LHV」という製品名で提供しています。
ただし、メーカーこそ違いますが、基本的には同様の機械です。

エーパイラー工法・LHV工法の作業手順

エーパイラー工法やLHV工法は置いてある鋼材を自ら掴んで持ち上げ、地盤に打込むことができます。
アタッチメントを取り付けるのも簡単ですし、油圧ショベル本体の油圧のみを使用するため、余計な機材や、邪魔になるホース、キャブタイヤが不要なので、シンプルでスマートな仕様です。

また、アタッチメントを交換して、オーガ・スクリューを使用することもできます。硬い地盤などは、一度オーガ・スクリューで削孔したのちに小型油圧バイブロで鋼材を打込む作業手順となります。0.9㎥クラスのバックホーをベースに0.9㎥用のエーパイラーもしくはLHVを装着すれば最大高さ7.5mまでの鋼材を打込むことが出来ます。

  • エーパイラーの作業手順01
  • エーパイラーの作業手順02

専門工事業の分類について

杭基礎工事は「専門工事業」に分類されるものですが、そこからさらに専門的な施工会社に分かれています。

  • ・サイレントパイラー工事専門
  • ・地盤改良工事専門
  • ・クローラクレーン工事専門
  • ・三点式杭打機工事専門
  • ・アボロン・多滑車工事専門
  • ・場所打ち杭工事専門 など

また、エーパイラー工事専門の会社も数多く存在しています。数種類のベースマシンと数種類のエーパイラーを組み合わせて施工を行なったり、鉄キャタ仕様やゴムキャタ仕様、ホイール(タイヤ)仕様まであります。ホイール仕様のエーパイラーなら、現場まで公道を走って行けるので大変便利ですね。

ちなみに・・

油圧ショベル(バックホー)のことを「ユンボ」と呼んだりしますが、これは昭和36年、現在の三菱重工業株式会社様が、
フランスのSICAM社より技術供与を得て製造した国産初の油圧ショベル(バックホー)【Y35】を、SICAM社の商品名「Yumbo=ユンボ」の名称で販売したことに始まります。以降、油圧ショベル=【ユンボ】となったわけです。

そのような経緯から、ユンボと同じように、油圧ショベルに取り付けて杭を打つ小型油圧バイブロのことを総称して
「エーパイラー(Aパイラー)」と呼ぶことが多くなりました。本来はアタッチメントである小型油圧バイブロ単体の名称ですが、ベースマシンの油圧ショベルとセットで「エーパイラー」と呼ぶのは自然の流れなのでしょう。

 
古いエーパイラーの看板

エーパイラーとLHVのレンタル

 エーパイラーとLHVの写真

エーパイラー/LHVのレンタルは油圧ショベル装着式LHVシリーズとして数社取り扱いがあるようですがあまりレンタル会社では見かけることがありません。レンタル品としては、汎用機械である0.7㎥までを扱っていることが多いようです。

アタッチメントのみの貸し出しはせず、専用の油圧配管を施しているベースマシンそれぞれとセットで貸し出されます。土木工事会社が、通常の土木工事に付随して軽量鋼矢板(トレンチパイル)やH形鋼、鋼矢板を打込む工事がある場合にはレンタル機があると便利ですね。 ※仕様はレンタル会社により異なります。必ずレンタル会社へお問い合わせください。

エーパイラー + ダウンザホールハンマー工法

ダウンザホールハンマーのビット
↑これがダウンザホールハンマーのビットです↑

油圧配管済のベースマシン(油圧ショベル)に、減速機(アースオーガ)を取り付け、スクリュー及びダウンザホールハンマーを装着。加えて、別途高圧コンプレッサーから圧縮空気を送り込めば、ダウンザホールハンマー工法が可能になります。

レンタルでも対応出来ますが、これには少々注意が必要です。ダウンザホールハンマーはそれ自体が重量物なので、ベースマシンに合わせたサイズを選択しなければなりません。小さな油圧ショベル(バックホー)に大きなハンマーを装着しては、バランスが悪く、最悪の場合マシンの転倒を誘発しかねません。また、掘削したはいいがハンマーが重く土量も加わり、ベースマシンのパワー不足で、持ち上がらなくなることもよく聞く失敗のひとつです。

エーパイラー/LHVの積算・歩掛

基礎工事作業

エーパイラー工法とLHV工法の積算・歩掛は2020年現在で「国土交通省土木工事積算基準」にはありません。どんなに鋼材が軽く短く、打つ距離が何百mであろうと、「国土交通省土木工事積算基準」では「クローラクレーン&電動バイブロ」か「ラフタークレーン&電動バイブロ」のどちらかになります。

ラフタークレーン&電動バイブロに関しては、振動により、ラフタークレーンのコンピュータが故障したり、ラフター自体の寿命が縮んだりとリスクが高く、請け負う会社が少ないのが現状です。また、クローラクレーンに関しては組立解体ができる広い作業ヤードが必要なことと、運搬費がかさむことがデメリットと言えます。

エーパイラー工法、LHV工法とS・RXリーダーレス工法との違い

RX2300、RX3300カタログ
カタログダウンロード

ベースマシンを油圧ショベル(バックホー)とし、小型油圧バイブロを取り付けて鋼材を打ち込む工法を総称して「エーパイラー工法」
「LHV工法」と呼んでいますが、弊社のメイン機械もベースマシンはバックホーで、小型油圧バイブロを使用しています。
見た目はエーパイラーやLHVとあまり変わりませんが、中身は結構違います。ベースマシンは、汎用機のバックホーではなく、杭打抜き専用基礎工事機械として、日立建機日本(株)様により開発して頂きました。

鴫原基礎の保有する油圧式リーダレス型基礎機械はバックホーとは違い基礎機械の専用機として、アーム、ブームが設計されています。解体用のツーピースブーム機とはフロント(アーム、ブーム)部分が根本から違っています。解体機は主にアタッチメントを付けて、上側の作業を得意としますが、RXはオーガ、バイブロを吊って下側の作業が楽にできる様に設計されている、基礎工事に特化した機械なのです。

具体的には多関節アームを採用し、エーパイラーやLHVには無い、【移動式クレーン仕様】のウィンチを搭載しています。機材・鋼材の積み込み積み降ろし、材料である鋼矢板・H形鋼の移動など、クレーン作業までこの1台で可能な杭打ち基礎機械です。さらに、「フロント軌跡制御システム」や「作業状態表示モニタ」、のほか「フロントの高さ制限」「斜杭打設」「定速制御」など多様な機能を搭載しています。
鴫原基礎ではこれを「リーダーレス工法」と呼んでいます。

弊社のリーダーレス工法は「積算」ができます!

鴫原基礎のS・RXリーダーレス工法がNETIS(ネティス)に登録されました。登録番号 TH-190001-A

私たち鴫原基礎を含む4社で立ち上げた協会、「S・RXリーダーレス工法研究会」では、「国土交通省土木工事積算基準」に準じ、独自の歩掛を元に積算システムを構築しました。移動式クレーン機能も備えたこの機械は、国土交通省新技術情報提供システムNETIS(ネティス)にも登録を果たし、既に設計図書にも登場して、多くの実績を積んでおります。

  • 国土交通省新技術情報提供システム NETIS

リーダレス工法に関しては詳しいご案内が必要となりますので、ぜひご相談フォームもしくはお電話にてお問合せ下さい。